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大峰奥駆 One Day Try

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ホンマは五月GW明けを狙っていたのだが、天候が悪くまた次回という事にしていた山行で、梅雨明けの予報が出たところで行ってきた。何回か訪れているうちに、いつかやってみたいなと思っていたワンデイ奥駆。通常の縦走登山であると5−6日間ほどかかるが、山慣れしていて走力もある人だと2−3日でなんとか走りきれてしまう奥駆道。これを夜中もブッ通し走り続けたら一日で抜けれるんではないか?昨年の信越五岳の失敗で勉強をし、タロンやミニマスなどの薄底シューズに出会い、ロードランも楽しく取り入れて、自分なりに走りこんできたつもりなので、現在の自分の実力を知るために、大峰の自然の中へ出かけて来た。

奈良県大峰奥駆道の詳細はコチラ→

ベストは前日の夜かなんかに吉野に到着して現地で仮眠を取り、早朝スタートが一番やりたいが、なかなか仕事の都合もつかず、交通機関も厳しいものがあるので、いつも通り、始発でJR芦屋駅を出発して吉野へAM8:00過ぎに到着。ケーブルやバスを乗り継ぎ8時50分頃にこの奥千本金峯神社に到着する。この日は現存する日本最古のケーブルも故障中ということで、臨時バスでここまで送ってもらった。しかも、平日ということもあり、自分一人のみ(笑)

駅前のいくつかの売店で大好きな柿の葉すしを購入しようと思っていたが、どうやらこの時期はお客さんが全然来ないらしく、特に平日は全く作っていないということ。これから、エラいとこに行くのに、食料がジェルだけだとマジで死んでしまうので、お客さん一人だけということで、特別にバスのおじさんにオープンしているお店に連れて行ってもらって、なんとか10個の柿の葉すしを買うことができた。そうこうしているうちに、分かり易いようにAM9:00ジャストにスタートしたかったが、結局9時15分のスタートとなった。



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ウェアはハンパない長距離ということで少しでも身体を助けてくれるということで全身サロモンのハニカムマン(笑)スタイル的にはランパンの方が好きだが、長距離だとどうしてもワセリンを塗り込んでも、ランパンだと食い込んで擦れてしまう。その点、タイツは全然平気だし、しかもサロモンのSLABショーツは欲しいところだけ着圧コンプレッションしてくれ、ウエスト部分は締め付け感が少ないので、ホンマに楽チンで長距離に良い。トップスも然りで、疲労が出てきても、このSLAB ZIP SS TEEは、良いランニングフォームを維持させるようにしてくれる。サロモンのバイザーも今年一番よく被っているアイテムで、安い割に、超軽量でランニング中も汗も流れ落ちないし、パックにしまう時も嵩張らなくて良い。ホンマに最近のサロモンはトレイルランニングの特化したアイテムが多く素晴らしい!

パックはInov8 / Race Elite25に、きっちりソフトフラスクがホールドできるように、ショルダーベルトにSeal Line / Bottle Pocketダブルで取り付けてみた。足下は、ベアフットランニング向けのペラペラソールにゴムスパイクを付けたようなInov8 / BareGripに、これまた長時間使用なのでメリノウール五本指Injinji / Outdoor Mini Crew。もちろん、膝にはNewハレVテープ!

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9時15分スタート後、アップがてらにゆっくり進んで行くが、もの凄い湿気でやはり夏は厳しいのか?ってなことを考えながら四寸岩山へのトレイル分岐に到着。

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いい感じのトレイルを登っていくと、四寸岩山に到着!どうやら、これから進んで行く方面は黒い雲に覆われていて、なんとなくヤバい天気のよう。どうなることやら・・・

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この途中の在来道上で何カ所かは谷水が汲める事が分かっていたので、ここまではスタート前に水を体内貯水しておくだけで、ソフトフラスクの水のみしか持って来なかった。ここで、美味しい水を8ozソフトフラスク3本分汲んで次の小笹宿の湧き水ポイントまで備える。

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と快適なはずだったが、この直後、雷雨となりもの凄い豪雨(泣)身体を冷やしてはいけないので、大急ぎでMontane / Spektr Smock & Sky High / Minimalist pantsで完全防備!こんな凄い雨でもバッチリ弾いてくれる。

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トレイルも大雨の影響か荒れている

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トレイル上に、ツルっとした可愛らしいサンショウオ発見!

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五番関の女人結界門に到着。ここから先の景色は女性はなかなか見れない景色。

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非常に快適な森を走り抜けて行く

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不動明王さま、役行者さま、山の神にご挨拶をして、日々の感謝!

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ここらで、少し塩辛いものが食べたくなってきたので、好物の柿の葉すしを食す。塩辛くてかなり好き系の味付け。しかし、急いでいて、残念ながら店の名前忘れてしまった(泣)

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雨は小降りになっていたが、上に行くに従ってガスも出て来る。

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昨年来た時は真っ暗闇の夜だったので、今回はシブい大峰山寺もバッチリ見れた。

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地蔵岳を越え、第二の水場である小笹の宿に到着。

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ここ小笹の宿はいつの時期に来ても、必ず美味しい湧き水が手に入る。避難小屋泊やテント泊もできるし、深山幽谷な大峰の中でもフェイバリットなところ。

Nuunエレクトロライトショッツソフトフラスクにブチ込み美味しい電解質ドリンクの出来上がり。体内貯水して、少しでも荷物の軽量化を目指し、その場でガブ飲み。

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そのまま進むと阿弥陀ヶ森の分岐お南側の女人結界門。

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脇ノ宿跡。緑が深く、ここもなんか個人的に落ち着くポイント。

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快適シングルトラックあり、岩場ありのバリエーションに富んだトレイルで面白い。

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テント泊やビバーク地に適した稚児泊。

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七曜岳周辺は岩場セクションも多く、天気が良ければダイナミックな景色が楽しめるが、今回はガスりまくり(笑)おかげで、この時期にしては肌寒く、終始モンテインスペクトルジャケットを着っぱなし。走るのにはちょうど良い気温なのだが、視界が悪くあまりスピードが出せない。

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雨の日や地面が濡れている時は、かなり気を遣うロング梯子セクション。どこまでも続く・・・

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第三の水場である行者還の水。ここは雨が少ない時は枯れる時もあり、いつも水量は少ない。今回はここ数日雨が降っているので、当てにしてやってきた。

個人的にはここから先は、楊枝ノ宿小屋まで水補給をしないので、ここで初めてハイドレーションに水を1.5㍑ほど入れて出発した。ここまででも、このハイドレーションの水の重量が無いと思ったら、かなりの軽量化でスピーディに進めているはず。これも、普段からの自分の身体を良く知るための走り込みトレーニングの賜物。経験と自身と共にいろいろな部分で軽量化が計れるもの。

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だんだん寒さもアップしてきたので、行者還の小屋でSalomon/ Calf Sleeves & Finetrack / Armwarmerを装着。

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弁天の森までは非常に走り易い快適なトレイル。これぞ、大峰!

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何回来てもシンドイ弥山までの階段登り。

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弥山から今まで走って来た山々を臨む。

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少し休んでから、お次の百名山八経ヶ岳へ。雨も止んで、360°の展望で最高の景色!

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八経ヶ岳も1914.9mのほぼ2,000m級の山だけあり、風も良く通ってそこそこ寒い。ジャケット&ミニマリストパンツでちょうど良い位だった。ミニマリストパンツはドシャ降りの雨でも問題なく弾いてくれるし、多少水が漏れてきても、汗をかきながら走るスタイルのトレイルランニングであれば、通気性の方が重要で、確実にゴアテックスのパンツより透湿性が高いので、これを履いたらまずレインパンツには戻れない(笑)もちろん、アンダーにはFinetrack / Powermesh上下も着込み下界では考えられない服装。山はそこがナメられないところ。

また、こういう非常にアップダウンの多い日本の山岳縦走路には、軽量ダブルストックが役立つ。特にこのBlack Diamond / Ultra Distanceはカーボンで超軽量やし、何より嵩張らなく非常に小さくコンパクトになるのが良い!これがあるのと無いのでは、登りの下半身への疲労が全く違う。

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今回また大活躍してくれたパックが、Inov8 / Race Elite 25 ! お馴染みシューズの手がけるトレイルランニング向けパックで他に20㍑もあるが、こういうビバークも想定される山行にはこの25㍑がベスト!シンプルな作りで、ウエストや背中側には様々なアイテムが放り込めるメッシュポケットが4つ付いている。もちろん、Mesh Pocketも装着できる。とても良い機能としては、ハイドレーションの水や食料が少なくなってきたら、一気にパック全体をコンプレッションできるコードロックが付いており、またこのコードを利用してパック下部に山と道padなどを装着可能。背面部分は今時の汗を吸わせるメッシュ仕様ではなく、オールドスクールなコーデュラナイロン。これがどうなんかと最初思っていたが、なんと、もの凄く撥水してくれて、汗や雨を吸水しないでくれるのでパックが重くならなくて良い。パック自体もシルナイロンよりは耐久性もあるようだし、何気にダークホース的なパックで一気に個人的に一番のお気に入りになった感じ。Coolなブラックにカモフラコンビカラーで、しかも9,975円というコストパフォーマンスさも素晴らしい!Sky High On SALE!!(笑)

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足を滑らせたらあの世行きポイントも多々あり(笑)このスリル感が山の醍醐味。

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船ノ垰

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楊枝ノ森から楊枝ノ小屋までに行く途中でちょうど天気も良くなりなかなかのサンセットが走りながら見ることができた。ちょうど夜6時45分位に楊枝ノ小屋に到着したので、吉野出発からここまで9時間ほどの行程。ここで少し一休みして、柿の葉すしを食べていよいよヘッドランプを装備して先を急ぐ。

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しかし、仏生ヶ岳(1804m)を越え孔雀岳へ行くまでの行程において、またガスが出て来て、複雑な真っ暗な森の中で本道が見つからず、行ったり戻ったりと30分ほどロスタイム(泣)やはり、夜間はホンマにルートファインディングが難しい。
この写真の茂みのトンネルの赤布が見つからず大変だった。

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渇水期は枯れることもあるが、何だかんだでチョロチョロと出ている鳥の水に無事に到着。ここの水もかなり美味しいので、水補給をバッチリして出発!

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雲が多いが、時折、月も出てきた。

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ここも日中であれば、下が切れていて良い景色であるが、真っ暗闇で何も見えない(笑)

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こんな断崖絶壁の崖ップチの所でも不動明王さんが祀ってある。

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釈迦ヶ岳までは非常にテクニカルな岩場エリアで、落ちたらサヨナラポイントがいくつもあるので、慎重にかつスピーディに進んでいく。こういう所は、やはりクライミングをやってるやってないで全然スピードが違うであろう。真っ暗闇の怖さは別にして、自分なんかはこういう岩場は逆に楽しい(笑)

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暗闇の中をせっせとヘッドランプの明かりを頼りに登って行き、突然、ボンと大きなお釈迦様の姿が出て来た時はなかなかビックリ。日中に見るより、遥かに大きく見える。大峯開山以来の強力オニ雅こと岡田雅行氏が、一人で担ぎあげたといわれている釈迦如来像。釈迦ヶ岳山頂(1799m)で出迎えてくれた。ここまでの行程に感謝を捧げ、次に出発!

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いつ来ても凄い急な下りだが、足に疲労が残らないようにウルトラディスタンスを併用しながら、慎重かつスピーディに下り深山小屋に到着。ここでもしばし柿の葉すし休憩。

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ついに前鬼との分岐点である太古の辻に到着!で、看板をよく見ると、ゴールの熊野本宮まで45キロ、縦走の歩きで24時間とな(笑)見なかったことにして、新たに気を入れ直して再出発!

以前に訪れた時もそうであったが、大峰奥駆をやろうとする場合はここからの南奥駆がヤバい。歩きの縦走でも走りでも、今までの道程でどれだけ疲労を溜めてないかがキーになるし、あと、どれだけ食料が残っているか、次の水場まで辿り着けるか?そして、これから先に行こうとする者は山が人を拒むかのように、途中で下山したいと思っても、エスケープに恐ろしく時間がかかるのである。

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そして、気合いを入れ直して、次の目的地である持経ノ宿を目指して南奥駆を進んで行くと、先ほども出ては消えていたガスがまた多くで出した。しかも、今度のガスは非常に濃い!

白色のLEDヘッドランプだと、こういう霧のようなガスには滅法弱く、ガスに光が反射してしまい、雪山のホワイトアウト状態でお先が見えなくなる。しかも、歩いた方々はご存知だとは思うが、この太古の辻から持経ノ宿までの道程がハンパなくキツい。これぞ大峰の修行やキツさと言えるほど幾重にも連なるアップダウンの激しい尾根道。六甲山でいうと、各山や森の山頂を、東お多福山のような開けた笹原で永遠と繋げたような尾根縦走路と言ったところ。しかも、季節が夏だけに、笹の成長が激しく、背丈が長いので薮になってるし、どこが本道かが非常に分かりにくい(泣)

おまけに尾根道が広いので、こういうガスが出て来た時は、本道をハズし易く、別な尾根に迷い込み易い。しかも、この箇所は地図を見ても、他の尾根に迷いこんだら、まず戻ることが不可能なくらい谷が深く、エスケープは不可能に近い。そんことも考えながら、時間がかかっても迷うよりはマシということで、慎重にゆっくり進んでいたが、案の定、本道とはそれて別な尾根に入り込んでいた。行けども行けども、赤テープが出て来ないので、コンパス&地図を新たに確認して、また下ってきたところを戻る。なんとか、本道に戻って安心したりしたが、地蔵岳、涅槃岳などを行くまでに結局3回ほど違う尾根に入り込んだりしてロストした(泣)

日中は全然問題ないところでも、こういう真っ暗な深夜山行やガスが出て来たら、やはり山はナメられない。こういう時が日頃のコンパスや地図読み練習、そして、山での「勘」、いかに「冷静」さを保って元来た所に戻るかが重要になる。山での遭難は下り時に起こることが多いが、疲労がピークに達してくると、人間楽な方、楽な方に下るもの。そして、下り過ぎて深い沢や谷に落ちたりする。もちろん、元来た道も戻ることが可能だが、戻るための体力や食料&水が無くなっていることが多い。特に食料などが無くなると、腹が減って動けなくなるので、ホンマに緊急時のエナジージェルは絶対に必携である。なかなか、こういうガス時に真夜中に山で行動する機会も少ないので、非常に今回は個人的に良い勉強になったし、良い経験になった。

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やっと、涅槃岳に到着!時間は確か深夜1時過ぎだったと思うが、あまりに時間がかかり過ぎてしまって、もうこの頃には時間はどうでもよくなってて、かなり精神的に疲れてきて、早くこのガスガスなヤバエリアを脱出したくてしょうがなかった(笑)

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相変わらず、濃いガスが続くがやっと阿須迦利岳に辿り着いた(泣)視界が無いとホンマにハンパなく疲労するものである。

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持経ノ宿までの下りは恐ろしく長く感じたが、念願(笑)の持経ノ宿と水場に到着!ここで、深夜3時を過ぎていて、ここまでの道程が時間がかかり過ぎた。この日の午後から夕方には大阪に帰って仕事が待っているので、色々逆算するとどう考えても、これ以上先を行くと戻ることが不可能になるので、ここで残念ながらエスケープをするしかない(泣)

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この先の南奥駆の行程を夢見ながら、寂しくも帰還となった・・・やはり、大峰の自然は凄い!この悪天候でここまで来れただけでも「山の神」に感謝である。

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白谷池郷林道経由で国道169号の池原へ下山。さすがにインターネット回線はケータイで繋がらなく、下山場所のバスの時間が不明で、おそらく一日にいいとこ1-2本の本数で朝の便を逃したらあの世行き(笑)なんで、できるだけ朝6時台目処に疲労した身体に鞭を打ってジョグで下る。途中で立派な岩塔群の石や塔を横目に見ながらひたすら林道やアスファルトの下りをこれでもかってほど走る。なんとか、朝6時半過ぎに池原大橋バス停に到着!

バスも8時50分発ということでなんとか昼過ぎに帰れ、午後からの大阪梅田でのメーカー展示会に間に合った。その後、お店に戻り仕事をこなし、なんと、連続30時間睡眠なしで人体実験完了(笑)

宿泊を伴う縦走と比べ、夜間走行も含めた無泊ワンデイ奥駆はコンプリートできなかったが、自分なりに手応えはあった。ケータイが通じないのは当たり前、当たり前だが電気など一切通っている箇所はなし、売店&自販機など一切なし、水場をよく調べておかないと地獄行き(笑)、エスケープルートがマジ遠い、簡単に落ちて死ねるテクニカルな岩場多し、天候がくずれやすい、夜間走行時は女性の叫び声に聞こえる鹿多し、南奥駆は熊も生息する。山では当たり前の多くの出来事が夜間行動ということあって、非常にハードに身体に感じることができる。前回の夜間走行時は月明かりの下で、星空を眺めながらのランニングという箇所も多かったが、ある意味、今回は激しい自然にさらされて非常に良い経験ができた。一番重要な水、食料のこと、ライトの明かりのこと、ウェアリングの大切さ、スリーピングシステムのこと、軽量化の重要さなど、人の手が入ったレースとは全く違った自然とたった一人で向き合う20時間ほどの短くも濃い一日。この日に得た経験は実にもの凄く大きかった。

レース含めて、自分の山行の中でも今シーズン3本指に入るキツさで、二日ほどは、しばらくはもう奥駆はいいかな?と思っていたが、今ここでこのブログを書いている時点、すでにまた行きたくてしょーがなくなっている自分がいる(笑)おそるべし大峰の自然!

Respect 大峰奥駆!
Very Thanks 大峰奥駆!

いくつかの文献を読んで大峰奥駆の歴史も勉強しているが、落ち着いたら、いずれすべての75の靡き(なびき)をじっくり寄って見て縦走しながら本来の160キロを進んでみたいと思っている。



by skyhighmw | 2011-07-14 16:32 | 奈良県

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