2011年 10月 07日
槍ヶ岳・穂高岳-常念岳・徳本峠2dayファストパッキング Day1 2011/09/27-28

9/26の朝に大阪から松本入りをして、送迎バスで中の湯旅館到着。暗くなる前に焼岳への新中の湯ルートの入り口偵察を兼ねて軽くハイキング。


遥か先に明日から進んで行くイカツイ穂高連峰が夕日で光って見える。遠い・・・(笑)

ハイキングの後は、ゆっくりお目当ての温泉へ。いくらでも入っていられる適温の源泉掛け流し露天風呂でリラックスをしたいが、心なしか明日からの行程を考えると少々緊張感あり。

旅館の清潔さ、スタッフの優しさや気遣いはかなりレベルが高かったので、夕食も期待していたが、可もなく不可もなくの山小屋食の上くらいだったかな。ご飯など炭水化物をたんまり身体に溜め込み、明日の朝食分を行動食として2つのオニギリにしていただいた。
部屋に帰って、早速、NEWハレを貼りまくり、最近のお気に入りの使い方で、少し伸びたFinetrack/Activeskin Arm CoverをKneewarmerに代用して、その上から、今回初テストのArc'teryx/Stride Tightを着用して夜9時前には就寝。

夜中の12時30分起床。一緒に同泊していた妻とは旅館で分かれて、いよいよ中の湯旅館を夜中の1時ジャスト出発!五分ほど登ると、車道と分かれる本登山道に到着。まずは焼岳を目指す!

真っ暗闇の樹林帯をBlack Diamond/Iconの100ルーメンの明かりを頼りにBlack Diamond/Ultradistanceで疲労をためないようにひたすら登りまくり、2時間30分のコースタイムをジャスト1時間で焼岳北峰に到着。気温はマイナス4度で激寒だが、おかげで空気はクリアーでよく星も見える。木々がなく火山ガスが吹き出る焼岳の山頂周辺はまるでどこかの星に不時着したかのような異空間で不気味かつカッコええ。このゾクゾク感が夜のソロ山行はたまらない(笑)


ここからは穂高連峰に真っすぐ伸びる稜線をひたすらジョグで進み続ける。西穂山荘で新穂高ロープウェイから登ってくる登山パーティに数組出会ったが、この後から続く西穂高以降の落石ポイントで一緒に進みたくないので、挨拶をしながらバシバシ抜いていき、西穂丸山に到着。



西穂独標を越え、スタートから5時間後に、西穂高岳に朝6時ジャスト到着!いよいよ夜が明けてきて、視界もヘッドランプが無くても見えるようになってきた。ここから奥穂高岳までのセクションが日本で一番危険で難しいと言われる屈指の岩登り満載のルート。ここだけは夜間は通りたくなかったので、予定通りの時間帯で通過することができ、西穂方面から登る登山者は間違いなく自分が一番乗りだったので思う存分自分の山行ができた!


遥か彼方に目的地の槍ヶ岳穂先が見える。奥穂高や前穂高から朝日が昇ってきたが、この日はあいにく雲が少し多めだったようで、イマイチの日の出だった。

ここからはストックをパックに仕舞い込んで、登山道と言うよりほぼ岩登りの稜線をスピードハイキングで四肢をフルに使って進んで行く。



鎖場のアップダウンありの落ちたらサヨナラポイント続出だが、通常の登山道とは異なりスパイスが効いて飽きがこないので超楽しい。ひたすら細い岩尾根を進むのだが、こういうセクションはメインルートから少しでも外れると岩が不安定な場所が多い。慎重にルートファインディングを取り、落石を落とさない程度にスピーディに進んで行く。


白いペンキの目印を辿って進んでいくが、分かりにくい箇所も多く、ルートファインディングが非常に難しく危険。よほど慣れた人でない限り、夜間行動は避けた方がいいであろう。




当然、遊園地のアトラクションなんて子供ダマしに思えるほど、緊張感があり、岩登り経験者は非常に楽しめるセクション。もちろん、ここまで来るとランニングはできないので、ひたすらスピードハイク&クライミングで。高所恐怖症の人は絶対に来ては行けない登山道(笑)


天狗岳山頂。












写真で見ているだけでお腹いっぱいという方も多いだろうが、ホンマにクライミングオンパレードのセクション。ジャンダルムにスタートから7時間経過でほぼ朝8時到着。正規ルートでは国内最難というだけあり、恐がりではない人にとっては面白いが、人が多い時週末などは人的落石が怖いので近寄りたくない。



登ってきたジャンダルムを振り返るが、ホンマにカッコええフォルムをしている。




どこまでも続く岩、岩、岩のオンパレード。


ナイフリッジの馬の背は高度感がかなりあり緊張感たっぷり。

奥穂高岳到着!


まだまだ遠い槍ヶ岳(笑)上高地方面も奇麗に見える。


まだまだ岩尾根が続く・・・

まだ時間も早いので、穂高岳山荘は素通り

涸沢岳到着。真っ青なBLUE SKY!



涸沢岳以降も危険マークの滑落ポイント多々あり。

雷鳥親子発見!丸々太ってええ体格しています(笑)


涸沢カールやキャンプ場が下に見える。


北穂高岳到着。せっかくなんで、近くの登山者に頼んで記念撮影。しかし、槍穂先はまだまだ遠い(笑)


頂上下にはよくこんな場所に小屋を建てたもんだと感心せざるを得ない北穂高小屋があり、ここで名物の味噌ラーメンを食す。汗をかき、疲労した身体に塩辛い味噌スープが染み渡る。内臓温度も上がりパワーアップ!

偶然にも芦屋在住の方で、お店にも来店してくださっている方に声をかけられた。何でも、PEAKSのイベントでアルパインクライミングをしいていたらしい。絶景のカフェテリアで記念撮影!

しばし、休憩していると爆音と強風と共に物資を運ぶヘリが小屋上空に降りて来た。初めて、こんな近くでヘリを見たが超ド迫力!強風によりI-PHONE用のLOKSAKがスっ飛ばされてどっかへいってしまった(泣)

そして、またもや声をかけられて(笑)以前、うちの寝袋をご購入いただいた地元ローカルのpgm0328さんとお会いできた。この山行で見た唯一のULパックTerranova/Laser35を背負ってスルーハイクされていた。こんな山奥での出会いはホンマに面白い。




北穂高からも飛騨泣きというセクションやナイフリッジ尾根があり、常に集中力が必要。


冷たい風が西側から吹いてきたと思ったら、みるみるうちにガスが稜線にかかってきた。

平日でもここらは人気ルートなので、何組かのパーティとすれ違ったが、どの人たちも60-70リットルクラスのものスゴくでかいパックを背負っていて、地面を見てもくもくと登っていた。テント泊するのだろうが、何で軽量化は考えないのかな。あんなドデカいパックを背負っていたら登山中の過程において歩くこと自体の楽しみが薄れるし、何よりクライミング時での体勢を維持したりするのが困難で危険。自分は最近は「走ること」に重点を置いているので、極端なウルトラライトとなっていて参考にならないと思うが、せっかくこれだけ道具が進化して軽くなっているので、もう少し軽視しないで、軽量化を考えたらもっともっと「歩くこと」「登ること」「走ること」などの山行の過程自体が楽しくなると思うのだが。




デンジャーだがクライミング要素の濃い楽しい長谷川ピークやキレットを越えていく。


やっと、全岩場セクションをクリアーして南岳小屋を越え、南岳に到着!ここからは暗くなろうが楽勝な走れるコースタイム3時間30分ほどのセクション。あとは尖った槍の穂先を目指してひた進むだけ。





もちろん、アップダウンはそこそこあるが軽いパックであれば、快適な稜線でバンバン走れてしまうセクション。すでに12時間ほどは動き続けているし、岩場続きなので、身体的にも精神的にも疲労しているはずだが、この夏のトレーニングのおかげか、Black Diamond/Ultra Distanceのポールのおかげかで、楽しいセクションを走れる体力が残っていた。


ついに本日のゴールである槍ヶ岳が姿を現した。長かったー。

山頂は幾度も登っているので今回はパス。到着は夕方3時30分。中の湯出発が夜中の1時なので全行程14時間30分ほど。距離としてはGPSで27キロほどであったが、岩登りセクションばかりで落石をさせないようにと精神的疲労が大きかった。

そうこうしているうちに、西側lから寒いガスが沸き上がって来た。急がないと天気が崩れる?



Ultra Distanceのポール2本を使用してツェルトを設営。今回はハンパない軽量化がしたかったので、Zert2と迷ったが、居住性の快適さは重要視せず、あくまで軽量を重視して、わずか235gのFinetrack/Zert1を使用。サイドのペグは2本のみ使用して面倒なので、中の荷物で固定。

内部はこんな感じで荷物で溢れてます(笑)マットは山と道さんのファストパッカー向け特別仕様モデルで現在テスト中で、製品化はまだ未定。90センチで50g切る驚異の軽量化モデル。みなさん興味あります?

さすがに平日でこの寒さなのでテント泊の人はまばらで寂しい感じ。

寝床を設営した後は、小屋でおでんとカップラーメンをいただきお腹を温め、サンセットを期待していたが、またもや雲が多くてイマイチ(泣)気温もすでに5度を切っているので早めに就寝することにした。

今回は寒さの中で自身の体感テストをしたかったので、キルトなどの寝袋はあえて持っていかず、どうしても寒くて耐えきれないのであればすぐにまた走り出そうと考えていた。Montane/Spectre Smockのレインウェアなどを含む全ウェアを全て着込み、Adventure Medical KIts/Emergency Bivvy & Coccon/Ripstop Silkの組み合わせでVBL(Vapor Barrier Liner)スリーピング・システムを今回も導入して就寝。
夜はみるみるうちに気温も下がり、テント外に置いてあるアクセサリー温度計も夜中にはマイナス5度を指していた。さすがに、このシステムでは幾度となく寒さで目が覚め、その都度、寝相を一番身体が効率良く温まるように丸まって寝たが、このシステムでもなんとか横になり睡眠が取れることが実証できた(笑)
さて、二日目は何処へ・・・