2012年 05月 24日
UTMF(Ultra Trail Mt.Fuji) vol.2 2012/5/17-20
3,2,1,START!!!
熱気ムンムンのスタートで一気にみんな走り抜けていく。遠く長い160キロなのに、みんなペースが速い(笑)気持ち良く河口湖大橋を越えると、地元歓迎の大太鼓。
LUNA SANDALのテッド発見!淡々ときれいなナチュラルフォームで、自分のペースでランニングのリズムを刻んでいた。
ハセツネ名物!このお方も160キロをこのスタイルで!もちのロンで完走してました!!!スゲっ!
あれっ!?ULTRA SPIRE/Omega&MT110のこの後ろ姿はもしや?○ichi2000さま!?この後、声をかけようかと思ったけど、もの凄い速さでブッ飛ばして走っていっちゃいました(笑)
富士山を見ながらのランニング!
途中でスカイハイの多くのお客さんに出会った。これからハードな行程が待っているのに、みんなホンマに嬉しそうな顔してます(笑)
ゴルゴSさんに出会って、林道の登りをしばらく一緒にしゃべりながら走った。お店ではトレイルランニングの話ばかりしているけど、よく考えたら一緒に実際山で走ったことがなかったから、非常に楽しかったなー。
ロードの下りからは自分は足をセーブするためにゴルゴさんに先に行っていただく。
ここからのシングルトラックの下りは最高だった!自分はかなり抑えめに下りたつもりだったけど、まわりはかなり飛ばし気味。160キロでこんな飛ばして大丈夫ってくらいのスピードで下っている人が多くいたな。
一発目のエイドではモチモチした美味しいうどんをいただく。今回は「旅」をテーマにできるだけエイドの固形物をメインに補給していく予定だった。
京都のキムカツさんと遭遇!!
長い林道やタフな登り下りをいくつかこなしていくと、いつの間にか富士山のサンセットタイム。この景色を見れただけでも、価値ありのレースやね。
暗くなってからの危険な岩場セクションが連続する箇所はちょい混雑状態。
第二エイドでキャノンボーラーけんこう堂シゲ発見!もちろん、元気いっぱいっす!!
ここでは美味しいクリームパンを三個ほどGET!エイドの滞在時間も勿体無いので、持参したビニール袋に入れて、進みながら食す。
第二から第三エイドまでは6キロほどなのでわりとすぐに到着。ここでは、嫁さんとNOBUの友達の井上さんが自分らを待っててくれた。こういうところで、嫁さんや知った人に会えるというのはなんかホッとする。でも、よく考えたら、すでにこの時点で下痢をしていて、このエイドですぐにトイレに駆け込んでいた(泣)身体の疲労や足は全然問題なしで寒いだけだったかな。
このライトアップされたすばしりのエイドちょい手前からのちょうど50キロ地点辺りから、お腹がはってきて屁が出るわ、胸が気持ち悪くなってきて、一時間おきに食べていたエナジージェルが喉を通らなくなってくる。
そして、写真を撮っている余裕もなくなる位に気分が悪くなってきて、61キロ地点第五エイドの御殿場口太郎坊や67キロ第六エイドの水ヶ塚公園はまた地獄の行進となっていった。このくらいの距離だと、いつもこなしているし、得意系の山の登り下りなんでかなりショッキング(泣)
すばしりからのロードの登りや火山灰トレイルではSさんやレオちゃんマンなどと一緒になったりしていたので、会話を楽しみながら楽しく走りたいのに、あまりの気持ち悪さにホンマにマジでヤバかった。少しでも気を紛らわせようと、ヘッドフォンで音楽を聞いてきもわるさを忘れようと試みるが変わらず。途中、声をかけてもらったりしていたのに、素っ気ない態度でホンマにすいませんした(泣)思い出すと、このへんが一番ヤバかったな。
前半はかなり調子が良かったのにいったい何!?前回のハセツネの教訓から、熱中症にならないように、一時間おきに電解質エレクトロライトカプセルも取っていたのだが、なぜに?
夜明けの写真も撮るのを忘れるくらい辛かった。元気であれば非常に楽しそうな山の中のシングルトラックもこの時はマジグッバイ状態でただ、進むだけ。76キロ地点の第七エイドのこどもの国に到着する頃にはすっかり気温も上昇してGood Weatherな一日が始まっていた。
このこどもの国のエイドでまた嫁さん&井上さんと会えた。心配していろいろサプリやら食べ物を出してくれるが、残念ながら全くどれもこれも喉を通らない。流し込み用のフリーズドライの雑炊までも食えないとはマジで終わってたな。気持ち悪さがどうしようもないので、汗まみれの服から後半戦にドロップバックに入れておいたSalomon/S-LABウェアに着替えてから、しばらく横になったりして回復を待つ。
途中、これからスタートするMRHCのSTYチームが応援にかけつけてくれて、色々はなしかけてくれたが、マジで会話も勘弁状態(泣)ホンマに素っ気ない会話で申し訳なかったっす!
自分の中では、今回はタイムを狙っていて、ここのこども国から徐々にペース上げていき、得意の登りでスピードアップなんで考えていたもんで、全く睡眠なんて考えておらず、数時間でも寝て気持ち悪さを治すなんてことはタイムを考えたらできなかった。自分のレベルでは、これが甘かった。
着替えや休憩を入れて30-40分くらい休んだのだろうか、少しよくなったような気がして、まずは歩きでスタートすれば回復するだろうと思い、お腹に入れられる水分や緑茶、オレンジだけをお腹に入れてから、後半戦のこどもの国をスタート!
ウォーキングでスタートしてから、下りのアスファルトが続き出したところで徐々に走り出して、最初はこれでイケルと思ったのだが、これがかなり甘かった。
20分位走ってから、急にお腹に力が入らなくなり、吐き気やまた胸が気持ち悪くなってきた。やはり、まだ治ってなかったようだ。水や持っているエナジージェルやグミなどを食べようとするが、匂いを嗅いだだけで気も悪さが増す。完全にヤラれてるし・・・
ウォーキングに切り替えて、バンバン他のランナーに抜かされたり、途中でうちのお客様にお会いして、ガスター10をもらって飲むも効き目なし。炭水化物などのエネルギー源がほとんど摂れずに、進んできたので、完全にハンガーノックというかガス欠状態になってしまったよう。
トボトボ果てしない長い長い林道を歩いていると約90キロ地点位で、スペインから来たというランナーが両膝が終わったということで座り込んでいた。グッドタイミング?いいか悪いか神の使いか救護カーが来た(笑)「乗りますか?」という問いかけに、自然に答えてしまって、気づいたときは車の中であった・・・
完全に今回は自分に負けた。今考えると、昨年のハワイの100マイルレースHURTで走れてなかったら、このまま睡眠を取って這いつくばってでもきっとゴールしたに違いない。今回は完走というゴールへの執着心がなかった。スピードやタイムを気にし過ぎて、完全に自分への甘えが出た。トレイルレースでは今までリタイアはしたことがなかったが、後半戦のハードなコースを考えて、リタイアを選択してしまった。
そのリタイアのおかげで、まともに元の生活ができて、帰宅後すぐに走ったりとできている。リタイアも勇気なのか?しかし、心の中では、だれかに「チキンめ!」と呼ばれているようで、今でも心の中ではモヤモヤが取れない。リタイアをしたみんなはこういう気持ちを味わっているのか。
ホンマに残念だが、自分の人体実験が全く足りてなかった末の結末だ。まだまだ、100マイラーへの道は自分には開かれていない。苦しさ、悔しさ、楽しさ、気持ち良さを全てひっくるめた濃密な数日間がこの100マイルのレースの旅。自分の「旅」はまだ始まったばかりだ・・・